対談

LUNKHEAD × ひめキュンフルーツ缶 対談 ロックバンド×ご当地アイドルユニット、異種レーべルメイト&愛媛っ子対談
LUNKHEAD:
小高芳太朗(Vo&Gt)/合田 悟(Ba)
ひめキュンフルーツ缶:
岡本真依(まい)/奥村真友里(まゆり)/河野穂乃花(ほのか)/菊原結里亜(ゆりあ)/谷尾桜子(さくらこ)

 

4月1日に徳間ジャパン移籍第1弾アルバムとして10作目のフルアルバム『家』をリリースしたロックバンドLUNKHEADと、4月15日にメジャー5thシングル『TEAR DROPS』をリリースするご当地アイドルユニットひめキュンフルーツ缶。接点がなさそうな異種同士だが、同じ徳間ジャパンに所属、どちらも新作を4月にリリース、そして両者とも愛媛出身のアーティストである。今回はその稀有な偶然を祝した記念対談。取材は終始アットホームな空気と笑い声に包まれていた。

取材・文/沖 さやこ

 

◆ひめキュンはシティーガール

――初対面は1年前、LUNKHEADがひめキュンフルーツ缶のライブを観に行って、楽屋に挨拶をしたときと伺いましたが。

小高:実はそれよりもすっごい大昔に挨拶したことあって。
 
ひめキュン:え!
 
小高:(ひめキュンが)デビュー前かデビューした直後くらいのとき、松山サロンキティの上のホールでみんなが練習してて。そのときひめキュンのメンバーは10人くらいおって……すげえようけおるな~と思って(笑)。そのあと有名になってから見て……「あれ? 少なっ!!」って。
 
ひめキュン:はははは!
 
まい:今はこの5人でやってます(笑)。
 
合田:サロンキティでお会いしたときは、もっと皆さん小っちゃかったですよね。すごく元気な子たちだなー、と。
 
――新居浜出身のLUNKHEADから見て、松山はどんな街でしたか?
 
合田:やっぱり僕らにとっては松山は都会なんですよ。憧れの地!くらいの。松山に行っただけで校内のヒーローなんですよ(笑)。
 
小高:高校時代にサロンキティに出た同級生がおって。ゆうてもオーディションの助っ人で出ただけなんやけど、それでもヒーローやったね。だからひめキュンはシティーガールよ。
 
全員:シティーガール!?(笑)
 
まい:そんなこと初めて言われた!!(笑)
 
小高:松山は完全なるシティーで、完全なる勝ち組! 松山に家族でドライブ行った同級生がお土産に坊っちゃん団子(※松山の銘菓)買ってきてくれたり……。だから松山に行くことは結構なスペシャル感なんよね。
 
――ひめキュンがお仕事で新居浜に行くことは?
 
さくらこ:実はひめキュンのいちばん最初のイベントが新居浜だったんです。「新居浜B級グルメショッ喰!!」っていう。
 
まい:まだ8人のころやね。
 
まゆり:新居浜には初期のころにいっぱい行ってました。
 
小高:これからも新居浜行ってあげて。ジャンドール(ライブハウス)がでかくなったしね。めっちゃいいと思うよ、ステージも広いし。キャパも500人くらい。
 
まゆり:へえ! ジャンドールまだ行ったことないんです。行きたい!
 
 

◆東京とかに遠征に出るようになって、愛媛の良さがわかるようになった

 
――LUNKHEADは上京して良かったですか?
 
小高:俺らが始めたころはやっぱり、東京はチャンスが多い場所で。俺らは大学進学で全員上京して、東京でバンドを始めたんやけど、やっぱり下北沢がバンドのメッカで、そこでライブしたいなと思って。今は時代が変わってメディアやネットが発達してるし、地方でも活動しやすくなっとるよね。ジャパハリネットも愛媛在住でメジャーデビューしたし、沖縄のバンドはほとんど沖縄おるし。そうやって自分らの地元で活動しよるバンドもおるけど、俺らはやっぱり東京という場所でいろんなチャンスに恵まれたな、と。飲み屋で偶然徳間の人に会ったりするし。
 
――それがきっかけで、LUNKHEADは徳間ジャパンに移籍することになったんですものね。
 
ひめキュン:へぇ~! すごい!
 
小高:やっぱりそういうチャンスはありますよね。
 
合田:あとは東京に出ると「地元」がある、というのもいいですね。愛媛におると愛媛の良さってわかんなくて。東京に来てから改めて愛媛の良さがわかりました。こんなにゆるい地域あるのか? ってくらい愛媛ってゆるいじゃないですか。誰も怒んないし。地元いるとなんでも「ん~、ええんじゃない?」って感じやし(笑)。
 
小高:新居浜で撮影したとき、立ち入り禁止のところに入って。「怒られたらやめたらいいやん」て撮りよって。でも入っていくのをその敷地の人が見よってん。「あー、見つかった!」と思ったら、しばらく見よってそっからどっか行ってしまった(笑)。
 
まい:入っていいんや(笑)。
 
――松山在住のひめキュンから見ても、そうですか?
 
ほのか:ひめキュンも東京とか遠征とか出るようになって、愛媛の良さがわかるようになって。やっぱり人がすごく優しいし、のんびりというか。のほほんとしてます(笑)。でもやっぱり、東京はなんでもあるし、お店が多いのはすごくいいな~と思います。愛媛は服屋さんもそんなになくて。
 
合田:松山は服屋さんいっぱいあるほうやと思うよ?
 
ひめキュン:ないですよ!
 
合田:あ、俺らが愛媛におるころはまだラフォーレがあったからかな。
 
小高:「ラフォーレ原宿・松山」な。よく行きよったね。タワーレコードも入ってて。
 
ひめキュン:へぇ~!
 
小高:え、みんなラフォーレ知らんの?
 
さくらこ:小さいころになくなっちゃってて。
 
ゆりあ:知らないんだけど、看板だけ残ってたのもあって、松山の人はその場所をいまでもラフォーレって呼んでるんですよ。だから親と待ち合わせするときとか「ラフォーレ前に来て」って言うんです(笑)。
 
小高:うわ~、今日一のジェネレーションギャップやわ~……。
 
全員:(笑)
 
 

◆ライブでがんばる姿に、すごく元気をもらう


――お互いの新作についてはいかがでしょう? LUNKHEADは4月1日に移籍第1弾となる10枚目のフル・アルバム『家』を、ひめキュンフルーツ缶は4月15日にメジャー5thシングル『TEAR DROPS』をリリースします。
 
小高:“TEAR DROPS”、ロックっすね。1回ライブを観てるからかもしれないけど、ライブで聴きたいなとすごく思った。どんな踊りでくるかな?って。
 
合田:曲もひめキュンの皆さんの声も強いですよね。芯が通ってる感じがあるし。
 
小高:5人で歌うと、声が変わって違和感が出たりするやん。でもひめキュンにはそれがないよね。
 
ゆりあ:実はあったんです。今回リーダー(さくらこ)の歌声が覚醒しちゃって、ひとりだけめちゃくちゃパワフルになって……。
 
まゆり:最初聴いたとき誰の声かわからんかった(笑)。
 
ゆりあ:ね! びっくりした!
 
さくらこ:結構メインで、重要なパートを任せられてたんですけど、「みんなとバランスが取れないから、まいと代わって」って言われちゃって。わたしはそのままいきたかったんやけど、社長命令には従わんと(笑)。みんな声がかわいいから、わたしだけ浮いちゃったんですよね……。
 
小高:へぇ~、裏でそんなことがあったんや。ソロとかやってもええかもね。あと3曲目の“ハロー AFTER SCHOOL”は……。
 
ひめキュン:「HERO」です! “HERO AFTER SCHOOL”です!(笑)
 
小高:あっ、あれ? ヒーローか……ヒーローやった(笑)、ごめんごめん。これは頭静かな曲やから、「お、1曲はバラード調でくるんや」と思ったら……まあ速かったね(笑)。この曲も速いんかい~!って。でもすごくええと思う。やっぱりライブで、頑張りよる姿にすごく元気をもらうんですよね。若い子が一生懸命頑張りよるなあ……! というのが。
 
合田:親目線やな(笑)。
 
小高:ひめキュンは常に全力なんですよ。
 
――そうですね。あの速い曲で歌って踊るから、なおのこと。
 
ゆりあ:曲もどんどん速くなっていくし、振りもどんどん難しくなっていくし。たまにバックバンドをつけてライブをするんですけど、ドラムの人が大変そうで(笑)。
 
小高:このドラムは大変やろうね~……。うちでこのドラムやったら(LUNKHEADのドラマーの桜井雄一に)怒られるな(笑)。“TEAR DROPS”のAメロはハーフミュート奏法で出る音なんやけど、あれも実際やるとなると結構しんどいんよ。やけん、(演奏陣が)ようやるな~と思いながら聴いてた。
 
合田:オケで歌って踊ることがほとんどやと思うけどリズム取るの難しくない? うちらは生やから取りやすいんですよ。オケやと難しくて。
 
まい:んー、でもオケに慣れてるから、バンドでやるほうが難しかったりもして。
 
さくらこ:そう? バンドのほうがやりやすい気がする。
 
ゆりあ:あれ? さく(※さくらこ)、アイドルじゃないんじゃない?(笑)
 
小高:生バンドでやってるところ観たいね。
 
――LUNKHEADがバックバンドに挑戦してみても面白いかもしれませんね。
 
合田:いつでもやります!
 
まゆり:速いけどやってくれますか!?(笑)
 
合田:いろいろドーピングしてから挑みます(笑)。
 

◆ 曲を聴いてすごく「LUNKHEADのライブが観たい!」と思った


――ひめキュンの皆さんは、LUNKHEADの『家』、いかがでした?
 
ゆりあ:最初のほうは聴きやすくて爽やかな曲が多いと思ったんですけど、後半に行くにつれて胸にくるというか。突き刺さる歌詞が多いと思って。8曲目(“モリ”)衝撃的でした。
 
まゆり:わたしは“うちにかえろう”が好きです。歌詞の「シチュー」って言葉があたたかくていいなあ……と思って。シチュー作るの得意なんですか?
 
小高:俺、料理好きで。
 
まゆり:へぇ~! 食べたい!
 
ゆりあ:実話ですか?
 
小高:んー、まあ、実話……。
 
ほのか:わあ~、素敵!
 
まゆり:本当にシチューのテーマソングになってそうです!
 
ほのか:PVにもなってた「シンフォニア」、好きです。すごく胸に残る。
 
さくらこ:2曲目の「MAGIC SPELL」でストーリー仕立てのMVがあったらいいなと思いました。
 
小高:お~、作ろうか。ていうか(MVに)出てもらおうか!
 
ひめキュン:え~! 出たい!!
 
まい:コラボしたい!
 
――まずは対バンなんていかがでしょう。
 
ひめキュン:やりたい!!
 
まい:わたしたち愛媛で「激突!Battle」ってイベントやってるんです。
 
ほのか:対バンシリーズのイベントなんですけど、是非そこに出てもらいたいです。
 
合田:ずっと「ひめキュンと対バンしたいね」って話はしてて。でもなかなかタイミングが合わなくて。
 
ゆりあ:えー! やりたい!
 
ほのか:まだLUNKHEADさんのライブを観てないので、観たいです。
 
さくらこ:曲を聴いてすごく「LUNKHEADのライブが観たい!」と思ったので、生で観たいです。
 
小高:もうね~、是非生で観てほしいです。
 
――LUNKHEADがひめキュンに楽曲提供、なんてことがあっても面白そうですね。
 
ひめキュン:楽曲提供? うれしい!
 
小高:全然やります! ひめキュンのためならめっちゃ速い曲作ろう!
 
ほのか:速い曲と遅い曲をお願いします!(笑)
 
合田:疾走感は俺らの曲も結構強いしね。
 
小高:ひめキュンは綺麗なメロディの曲が多いけど、割と我々もメロディこだわってますからね。よし、作ろう!
 
ひめキュン:(※拍手をしながら)わーい! やった~!
 
小高:ただ、うちがバックバンドやると、ほんとベースの音がずーっとうざいから……。
 
まい:うざい!?(笑)
 
小高:ベースのくせに高い音を弾きすぎてて、これ以上出ん!てとこまで弾くわけ。だから全然ベースじゃない(笑)。でもひめキュンのためなら、大人しいベース弾くよね?
 
合田:も~、なんでもやります。なかなか愛媛の人っていなくないですか?
 
さくらこ:(アーティストには)ほとんどいないです。芸人さんは多いけど。
 
小高:バンドもね、愛媛出身バンドというよりは、バンドのなかに愛媛出身の人がおる、みたいな感じやしね。
 
合田:だから愛媛同士やし、これからも仲良くしていきたいですね。
 
ひめキュン:はい、ぜひこれからもよろしくお願いします!

LUNKHEAD × ひめキュンフルーツ缶

■プロフィール

●LUNKHEAD
1999年、愛媛県立新居浜西高校の同級生4人が集まり結成されたLUNKHEAD。 その後全員が上京し、2000年から東京にて本格的にバンド活動をスタートさせる。 2004年にシングル「白い声」にてメジャーデビューし、これまでに、ベストアルバム 2枚・ミニアルバム2枚を含む計13枚のアルバムをリリース。 Vo小高の紡ぎだす真っ直ぐすぎる歌詞と確かな演奏力を武器に、LIVEバンドとして精 力的なツアーをこなし、LIQUIDROOM ebisu、SHIBUYA-AX、渋谷公会堂、新木場STUDIO COAST他にてワンマンライブを敢行。 また、「MONSTER baSH」・「RUSH BALL」・「「ROCK IN JAPAN FES」・「COUNTDOWN JAPAN」など大型フェスの出演実績も誇る。 メジャーデビュー10周年を迎えた2014年、「LUNKHEAD 10th Anniversary」をテーマ に掲げ、ツアーと10周年の集大成として「一世一代のみかん祭り」を新木場STUDIO COASTにて大成功させる。 そして今年の2015年は“10周年よりもすごい。”をテーマに掲げ、2015年4月に徳間 ジャパン移籍第1弾として10年間の活動をさらに飛躍させた10枚目のオリジナルフル アルバム『家』をリリース。全国ツアーと日比谷野外大音楽堂での単独公演が決定し ている。
 

●ひめキュンフルーツ缶
2010年8月に誕生した愛媛発のご当地アイドルユニット。16歳~22歳までの5人の少女たちにて構成される(結成当初は8名)。2011年3月に「恋愛エネルギー保存の法則」でCDデビュー。ロックを軸とした楽曲、他アイドルとは一線を画す高いライブパフォーマンスが話題となり、2013年第5回CDショップ大賞「中国四国ブロック賞」を受賞!注目度が高まり、同年8月に満を持して『アンダンテ』にてメジャーデビュー。同月、アイドルとしては初となる、四国最大のロックフェスティバル「MONSTER baSH 2013」にも出演。12月にはNHK『全国「あまちゃん」マップあなたの町おこしキャンペーン』で3位に入賞するなど、今最も期待されているアーティストグループ。