少年ナイフ

プロフィール

■少年ナイフ
1981年にリーダーのなおこを中心に大阪で結成。1990年代にはニルバーナのカート・コバーンをはじめ、ソニックユース、レッドクロスなどのアーティストから絶大な支持を受けワールドワイドな活動を展開。結成以来、ツアーやレコーディングをコンスタントに行いロックシーンに独自のポジションを築く。

■平川 晋
zero recordsより少年ナイフの初期作品を リリース 1970年代後半出現した東京ロッカーズに刺激され、日本だけでなく海外の多くの方に聴 いて欲しいアーティストを紹介するレーベル zero records設立間もない1982年末、京都 銀閣寺道のライブハウス “サーカス・サーカ ス”で、少年ナイフに遭遇。 プリミティブでピュアなパワーがありながら したたかさを内に秘めた何かに触発され、こ の何かを多くの方に感じて欲しいという願い を込めて、zero recordsからの発信を開始。 2人のソングライターという違う視点からの 楽曲群がその何かを増幅し、U.S.A.にも波及、 Nirvanaの故Kurtにも届いた。 今ではインドにも達し、昨年のインドのフェ スでのギグが、”BURNING FARM”のボー ナス・トラックとして紹介されている。今回 再発の初期4作はその何かが真っ青な頃から 青さが少し残る頃までの作品といえる。 青さが発散するこの何かを是非感じてただき たい。現在の少年ナイフのライブ・テイクも ボーナス・トラックとして収録。

■宇都宮 泰(音楽家・音楽制作者) 少年ナイフの初期作品の録音・制作を担当、 今回4タイトルのマスタリングエンジニアを務める

ツイッター / @utsunomiaa_comより

近年のCDの過剰レベル件。曲によっては正規化レベルをはるかに下回るほど良識的。しか し決して無意味に低レベルってわけではない、野心作!とにかくこれまでの中で最もマス ター(オリジナル・アナログ)に近似させた。

少年ナイフのマスタリング、実ははじめてのこと。制作そのものに関わったのは3枚目と4枚 目のみ。今回の4枚目は大半のミックスが米国向けのマスターから作成したもので、これま での国内版のどれとも違う。

3枚目も、主要な楽曲、とくに私が手がけた楽曲に関して、秘蔵の原本から作成。またフル で手がけた楽曲は3曲あるが、1曲はあまりに斬新すぎて、結局不採用だったもの⇒今回ボー ナスとして初収録。
これまでのマスタリング、4枚を揃える方向で調整されているが、今回は極限的に現存する マスターを修復し、少なくとも当時アナログレコードプレス時まで遡り復元。4枚の進化を 辿れるようにまとめた。個人的には彼らの最重要な4枚と思う。

事務所さんもマスターが早い段階で相当に劣化していることは認識。以前から修復をすすめ、 おととしから恒久的なデジタルマスターを作成する計画だったもの。修復に1年以上。

修復は過去に発売されたレコードやコピーを集め、劣化の無い部分をリストアップし、整合 させつなぎ合わせることが基本。おそらく1000箇所以上に及んでいる。細かく見れば、1 枚目、レコードプレスの時点で既に劣化が見られ(レコードの解析)るが、レコードを基準 と考えた。それ以上遡ることは、当時のエンジニアも故人であるし、困難。すくなくともレ コードと同等の鮮度までは回復している。その意味でも今回の4枚は高価値。