MUCC(BLAZE Gotanda)

過去を辿り、未来へ歌う──
MUCC ミヤBIRTHDAY LIVE 2026「躁 -Sou-」「美 -Utsu-」ライブレポート

 


■2026年7月26日(日)ミヤ BIRTHDAY LIVE 2026「躁 -Sou-」@BLAZE Gotanda
■2026年7月27日(月)ミヤ BIRTHDAY LIVE 2026「美 -Utsu-」@BLAZE Gotanda


毎年恒例となっているMUCCギタリスト・ミヤのバースデーライヴ。今年は7月26日・27日の2日間にわたりBLAZE Gotandaで開催され、初日は「躁 -Sou-」、2日目は「美 -Utsu-」と題された。

約10年ぶりとなる海外公演を終えたばかりのMUCCにとって、この2日間は帰国後最初のステージであり、ミヤの47歳の誕生日を祝うだけでなく、2027年に迎える結成30周年の序章を告げる特別な公演となった。

初日「躁 -Sou-」は、SE「ホムラウタ」とともに幕を開ける。しかし、メンバーがステージに姿を現しても演奏は始まらない。原因はYUKKEのベーストラブルだった。張り詰めた空気が流れてもおかしくない状況だったが、メンバーは軽妙なやり取りで客席を笑わせ、その時間さえライヴの一部へと変えてしまう。海外公演を経てさらに磨かれた対応力と、長年ともに歩んできた3人の信頼関係が垣間見える一幕だった。

仕切り直しとなった1曲目は「大嫌い」。続く「娼婦」「五月雨」「蘭鋳」と立て続けに畳み掛けると、フロアでは激しいモッシュと幾重ものヘッドバンギングが巻き起こり、ライヴハウスは一気に熱狂へと包まれた。

一方で、この日の魅力は激しさだけではない。

「今日はしっとりした曲しかないから」と笑いを誘ったあとに披露された「名もなき夢」では、逹瑯の煽りに観客が力強く応え、ミヤも「ここ10年で一番ジャンプしてもらう」「今日俺の顔を見に来たんじゃないだろ? MUCCを見に来たんだよな?」とフロアをさらに煽る。

《目を閉じて 明日を想い描く 小さな名も無き夢を二度と、失くさぬように》

その歌詞は、長い年月をともに歩んできたバンドとファンだからこそ、より深く胸に響いた。

続く「鳶」「パノラマ」「流星」では、激情だけでなく繊細な叙情も描き出され、「優しい歌」では自然と「ラララ・・・」の大合唱が広がる。会場全体がひとつの歌を共有する光景は、MUCCとファンが積み重ねてきた時間そのものだった。

終盤は「謡声(ウタゴエ)」「塗り潰すなら臙脂」「咆哮」「アゲハ」「フォーリングダウン」と怒涛の展開。「躁」のタイトルどおり、感情を極限まで解き放つような熱狂のまま本編を駆け抜けた。

アンコールでは、ミヤの47歳を祝うバースデーケーキが登場。しかし、そのまま終わらないのがMUCCらしい。YUKKEのサプライズで人気料理研究家・リュウジが登場し、自ら考案した「麻婆カレー」をプレゼント。ケーキを味わった直後のミヤが“口直し”として麻婆カレーを試食するという予想外の展開に、会場は大きな笑いに包まれた。

そして、この日最大のサプライズが待っていた。

2027年に結成30周年を迎えるMUCCが、そのアニバーサリーイヤーの幕開けを飾る50枚目のシングル「ラブレター」を11月17日にリリースすること、さらにショートツアーの開催を発表。場内はこの日一番ともいえる歓声に包まれる。

逹瑯は「30周年へ向かう愛を込めた楽曲」と制作への思いを語り、「30周年を意識して作り始めたわけではなかったが、この曲調だからこそ、この歌詞を乗せたいと思った」と制作秘話を明かす。するとミヤの提案で、本来予定にはなかった「ラブレター」の初披露が急遽決定。誰も予想していなかったサプライズに、会場は驚きと歓喜に包まれた。

続いて披露された新曲「Sir」ではインダストリアルなサウンドが炸裂し、30周年へ向かうMUCCの新たな一歩を鮮烈に印象づけた。

一夜明けた2日目、「美 -Utsu-」は前夜とはまったく異なる景色を描き出した。

この日はキーボーディスト・吉田トオルを迎えた編成。SE「ホムラウタ」が鳴り止むと、静寂の中にミヤのギターがゆっくりと響き始める。その一音だけで空気は塗り替えられ、BLAZE Gotandaは一瞬にしてMUCCの世界へと引き込まれていった。

幕開けを飾った「アカ」から、「スイミン」「ママ」「路地裏 僕と君へ」と続く流れでは、初期MUCCならではの退廃と純粋さが静かに積み重ねられていく。前夜の「躁 -Sou-」が衝動や熱量を解き放つステージだったとすれば、この日の「美 -Utsu-」は、MUCCが長年育み続けてきた陰影や叙情、美しさを丁寧に描き出す時間だった。

「溺れる魚」「昔子供だった人達へ」「雨のオーケストラ」では、吉田トオルのキーボードが楽曲の情景をより鮮やかに映し出し、繊細な叙情が会場を包み込む。

さらに「こもれび」「夕紅」「遥か」「25時の憂鬱」と続く流れでは、絶望だけでは終わらないMUCCの魅力が改めて浮かび上がる。繊細な感情の機微と、時代を超えて色褪せないメロディが、観る者一人ひとりの心を静かに揺さぶっていた。

「25時の憂鬱」を歌い終えると、逹瑯は「これ、誰が書いた曲?」と笑いながらミヤへ問いかける。それを受けたミヤも「意識がちぎれそう……25時じゃなく29時くらい」と苦笑い。「疲れる」と本音を漏らし、場内には和やかな笑いが広がった。しかし、その軽妙なやり取りとは裏腹に、最後まで一切妥協のない演奏が貫かれていた。

終盤は「蝉時雨」「浮游」「空と糸」、そして「青い森」へ。静かな希望と温もりを湛えたラストは、「美」というテーマを象徴するような穏やかな余韻を残して幕を閉じた。

この2日間は、新曲を除けば結成初期から約10年間の楽曲を年代順に辿る構成となっており、MUCCが歩んできた軌跡を現在の表現力で鮮やかに描き直す時間でもあった。そこには単なる懐古ではなく、30年近い歳月を重ねた今だからこそ宿る説得力があった。

アンコールでは「蘭鋳」「Sir」、そして50枚目のシングル「ラブレター」を披露。初日にサプライズとして届けられたこの楽曲は、2日間を締めくくる最後の一曲として、より深い意味を帯びて響く。大切な存在へ真っ直ぐ想いを届ける「ラブレター」は、この日集まったファンへのメッセージとしても深く響き、30周年へ向かう決意と感謝を静かな余韻とともに届けた。

こうして幕を閉じたミヤのバースデーライヴは、単なる記念公演ではない。

「躁 -Sou-」ではライヴバンドとしての圧倒的な爆発力を、「美 -Utsu-」では時を重ねたからこそ辿り着ける繊細な叙情を提示した。正反対とも言えるふたつのテーマは、そのどちらもがMUCCというバンドの本質であり、その振れ幅の大きさこそが彼らの最大の魅力であることを改めて証明した。

余談だが、ミヤが「続きは来年のバースデーライヴに取っておく」と語り、この年代順に辿るシリーズがまだ続くことも示唆した。その言葉は、過去を懐かしむためではなく、未来へ進むために歴史を見つめ直すという今回の公演の意味を象徴しているようでもあった。

そして、その未来への扉を開いたのが「ラブレター」だ。

過去の名曲を並べるだけで終わるのではなく、新たな作品を最後に据えたことで、このライヴは"これまで"を振り返る場ではなく、"これから"を告げる始まりのステージとなった。

ミヤの47歳の誕生日を祝う2日間。その祝祭は同時に、結成30周年という新たな歴史の始まりを高らかに告げる、MUCCの確かな第一歩となった。


TEXT:徳間ジャパンスタッフ
PHOTO:冨田味我

◆◆◆画像ギャラリー◆◆◆



【セットリスト】
■2026年7月26日(日)ミヤ BIRTHDAY LIVE 2026「躁 -Sou-」@BLAZE Gotanda
SE ホムラウタ 
01. 大嫌い 
02. 娼婦 
03. 五月雨 
04. 蘭鋳 
05. 1979 【是空Ver.】 
06. 名もなき夢 
07. 鳶 
08. パノラマ 
09. 流星 
10. 優しい歌 
11. 謡声 (ウタゴエ) 
12. 塗り潰すなら臙脂 
13. 咆哮 
14. アゲハ 
15.フォーリングダウン 

En1. ラブレター 
En2. Sir 
En3. Daydream Believer

■2026年7月27日(月)ミヤ BIRTHDAY LIVE 2026「美 -Utsu-」@BLAZE Gotanda
SE ホムラウタ
01. アカ 
02. スイミン 
03. ママ 
04. 路地裏 僕と君へ 
05. 溺れる魚 
06. 昔子供だった人達へ
07. 雨のオーケストラ 
08. こもれび 
09. 夕紅 
10. 遥か 
11. 25時の憂鬱 
12. 蝉時雨 
13. 浮游 
14. 空と糸 
15. 青い森 

En1. 蘭鋳 
En2. Sir 
En3. ラブレター

≪リリース情報≫
■Single「ラブレター」2026年11月17日(火)Release
【初回限定盤(CD+DVD)】※三方背ケース仕様
品番:TKCA-75374 価格:¥3,300(税込)
[CD]
1.ラブレター
2.Sir
3.ラブレター(オリジナル・カラオケ)
4.Sir(オリジナル・カラオケ)
[DVD]
1.ラブレター Music Video
2. Music Videoメイキング
3.「Sir」2026年6月9日Zepp Haneda(TOKYO)初披露ライブ映像を収録

【通常盤(CD Only)】
品番:TKCA-75378 価格:¥1,400(税込)
初回限定盤CDの収録曲と同内容

【FC(朱ゥノ吐+)会員限定盤(CD+DVD+オリジナルTシャツA)】
品番:TKZA-10064 価格:¥9,000(税込)
受注期間:2026年7月27日(月)12:00~ 一定数に達し次第終了
ご購入サイトは→コチラ

【クラウン徳間ショップ限定盤(CD+DVD+オリジナルTシャツB)】
品番:TKZA-10065 価格:¥9,000(税込)
受注期間:2026年7月27日(月)12:00~ 一定数に達し次第終了
ご購入サイトは→コチラ

※FC(朱ゥノ吐+)会員限定盤とクラウン徳間ショップ限定盤に付属するオリジナルTシャツはデザインが異なります。
※オリジナルTシャツのデザインは決まり次第、発表します。
※FC(朱ゥノ吐+)会員限定盤とクラウン徳間ショップ限定盤は、オリジナルTシャツのデザイン以外はすべて共通仕様です。

《LIVE》
■MUCC Club tour 2026 Beginning to Lotus
11/16(月) 水戸ライトハウス
11/17(火) 水戸ライトハウス
11/20(金) 柏PALOOZA
11/24(火) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
11/27(金) 神戸Harbor Studio
11/29(日) 京都MUSE
12/2(水)  HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
12/8(火)  LiveHouse浜松窓枠
12/14(月) 渋谷 CLUB QUATTRO
12/22(火) 名古屋CLUB QUATTRO
12/23(水) 梅田CLUB QUATTRO

■その他イベント
2026年8月1日(土)「ムックリ クエストLIVE-破- 」EXTRA@GORILA HALL OSAKA
2026年8月2日(日)「Love Together EXTRA Feat.えん」@GORILLA HALL OSAKA
2026年8月8日(土)「Lucky Fes’26」@国営ひたち海浜公園
2026年8月21日(金)「達郎 BIRTHDAY LIVE 2026『This is Acoustic』」@東京キネマ倶楽部
2026年9月5日(土)「LuV Together 2026」@水戸市民会館グロービスホール
2026年9月6日(日)「LuV Together 2026」@水戸市民会館グロービスホール
2026年9月21日(月・祝)「Sadie presents THE UNITED KILLERS」@YOKOHAMA BAY HALL
2026年9月30日(水)「BugLug主催Fes.『バグサミ 2026東京』」@渋谷周辺6会場
2026年10月17日(土)「SHAZNA presents 歌姫降臨~Beautiful Party Ⅲ」@赤羽 Reny alpha
2026年10月24日(土)「FM NACK5 38th Anniversary & BEAT SHUFFLE 28th Anniversary」LIVE~ビッフル・ア・ゴーゴー!2026~」@大宮ソニックシティ 大ホール
2026年11月5日(木)「YUKKE BIRTH DAY LIVE2026」@YOKOHAMA Bay Hall

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