LUV K RAFT/メジャーデビューインタビュー



day after tomorrowのメンバーとして活動していた時期に第44回日本レコード大賞新人賞、ベストヒット歌謡祭2003 ゴールド・アーティスト賞を受賞。その後も作曲家・編曲家として様々な楽曲をトップアーティストに提供し続けている北野正人(Gt/Manipulator)。歌とラップを絶妙なコンビネーションで交わしながら多彩な響きとグルーヴを生むKAREN(Vo)とMishu(Vo)。この3人による音楽ユニット・LUV K RAFT(ラブクラフト)が、1stフルアルバム『GREEN』『PURPLE』でメジャーデビューする。掲げているコンセプト「懐かしさと新しさが交差するタイムマシンサウンド」を様々なスタイルで示す作品だ。代表曲の数々も満載されている今作について3人が語ってくれた。



 

――2013年5月に結成されたユニットですね。

北野:はい。KARENがもともとやっていたバンドを僕が手伝っていたんですけど、ギタリストが脱退して解散してしまったので、「じゃあ新たに一緒にやる?」という流れで始めたのがLUV K RAFTです。

――ユニット名の由来は、アメリカの小説家のラヴクラフト?

北野:そうです。結成した当時、そういう音楽だったというのもあるんです。

――おどろおどろしさがあったんですか?

北野:はい。ポップではあるんですけど、そういうテイストもあったので。小説家のラヴクラフトとスペルは違うんですけど、我々の方がホラーっぽいのかなと。向こうは「LOVE」と「CRAFT」なのでポップなんですよ。。

KAREN:名前がかわいいからかわいい小説を書かなければいけないとか、ホラー小説家だから怖い名前にしなければいけないという固定観念を覆す名前がラヴクラフトなので、私たちも「こうあるべき」を取っ払いたいというのがあるんです。

――初期はおどろおどろしさがあったというのは、かなり意外ですけど。

KAREN:激しめのラウド系で、お客さんが頭を振って、モッシュとかもする感じだったんです。Mishuが加入してから今の感じになりました。

――ラウドがルーツにあるんですか?。

KAREN:はい。めちゃくちゃ叫んでました。私はパラモアのヘイリー・ウィリアムスがすごく好きなんです。サマソニのステージでセーラー服で頭を振ってるヘイリーを観て「私はあれになる!」と決めて、髪の毛を真っ赤にしましたから。

――北野さんもリスナーとしてラウドは通ってきているんですか?

北野:僕はグランジが好きだったので、スマッシング・パンプキンズの後期のラウドな音楽性は好きでした。あと、KORNが出てきたときは衝撃でしたね。「ラウド」という言葉が出てくる前のアリス・イン・チェインズ、フェイス・ノー・モア 、サウンドガーデン、ストーン・テンプル・パイロッツも好きでした。

――Mishuさんの音楽のルーツは?

Mishu:ロックも通ってきたんですけど、一番好きなのはTLCです。特に初期の「少年+ちょっと悪ガキ」みたいな部分がすごく好きです。レフトアイが亡くなって2人になってからの「メント・トゥ・ビー」「ダメージド」とかは、メインのメロディの上にコーラスを被せるという、2つのメロディが重なる作り方なんですよね。それはLUV K RAFTの楽曲を歌うときの参考にさせてもらってます。

――Mishuさんの加入は2016年。ミニアルバム『ROCK A TRONICA』に収録されている「Troublemaker」に参加したのがきっかけですよね?

Mishu:そうです。もともとLUV K RAFTの後輩バンドとして活動していたんですけど、「Troublemaker」で「ラップやってみない?」と声をかけてもらったんです。レコーディングに参加したら私とKARENさんの声がすごくマッチして、「一緒にやらない?」ということになりました。

北野:僕はいろんな音楽が好きで、80年代から00年代くらいまでのいろんな曲からのインスパイアで曲を作るのが好きなんです。「Troublemaker」は、チャンバワンバの「タブサンピング」のオマージュで、「こういう声が欲しい」というのがあって、それにMishuが合うのではないかと。もともとMishuがやってなかったテイストだったんですけど、歌ってもらったらドンピシャでした。

Mishu:今、思い出しました。レコーディングの当日、メロディを歌うつもりで行ったら、「ラップやって」といきなり言われて(笑)。

北野:やっていく内にKARENと一緒にハーモニーを見出していって、どんどんハマっていったんですよね。今も歌のことはコーラスワークから何から全部2人でやってくれていて、僕は一切ノータッチです。

KAREN:初めは2人の声質を合せることがハーモニーが良くなる秘訣だと思ってたんです。今は全く真逆になりました。合わせたら同じ人が歌ってるような印象にはなるんですけど、倍音というか、広がりがなくなるんですよね。「個々のかっこよさを出しつつ、ハーモニーをさらに良く聴かせる」というやり方をいろいろ考えた結果、「合わせるために互いに寄り添うのではなくて、互いにかけ離れる」という歌い方に辿り着きました。一番良いハーモニーが生まれるのが、そのやり方なんです。

――北野さんは、KARENさんとMishuさん各々の魅力をどのように捉えていますか?

北野:KARENはクリエイターとしてストイック。MVを作ったり、デザインもしたり、音楽以外に対しても貪欲です。Mishuは、「好き」と思ったものに対する探求心がすごくて、好きなものを表現するときの爆発力が大きいです。でも、ちょっとでも気が進まないところがあったらまったく手をつけないわかりやすい人です。

Mishu:「まったく手をつけない」って(笑)。

――(笑)。2人の歌声に関しては、いかがでしょうか?

北野:僕が勝手に投影しているだけなんですけど、ハートのアン・ウィルソンとナンシー・ウィルソンの感じなのかなと。KARENの中にはアイリッシュのボーカリストの特性があって、彼女自身もアラニス・モリセットやクランベリーズとかが好きなんです。そういうテイストを良いバランスで出してくれる、日本にいそうでいないタイプです。そしてMishuに関しては規格外。「他にこういう人います?」というリーサルウェポン的な。

Mishu:私、自分を規格内の人だと思ってたんですけど(笑)。

KAREN:Mishuはいろんな表現ができて、ポテンシャルがものすごいです。

――KARENさんとMishuさんは、北野さんの魅力をどのように捉えていますか?

KAREN:私たちに「音楽」というものを教えてくれた師匠です。私たちがリアルタイムで体験していない80年代、90年代の音楽を一通り教えてくれています。あと、ハーモニーの組み立て方もいろいろ教えてもらってます。3度上でハモるとかではなくて、しっかりコードから組み立てていくやり方を音楽理論に基づいて教えてくれるんですよね。普段は「おじさんが」とか言うんですけど(笑)。すごく勉強になってます。

Mishu:さっき私をリーサルウェポンと言ってくれましたけど、LUV K RAFTの一番のリーサルウェポンは北野さんですよ。音楽の師匠なのはもちろんなんですけど、いてくれることによる安心感、信頼感がものすごいので。

北野:俺が水鉄砲とするならばMishuはロケットランチャーだよ。

Mishu:いや。逆です。北野さんがロケットランチャーです。

KAREN:よくわからない喩えなんだけど(笑)。

北野:僕は80年代、90年代に洋楽を聴いて育って、学校に行って「あれ聴いた?」って友だちと話すのが楽しかったんです。そういうのをいまだにLUV K RAFTでやってるんですよね。だから2人に教えているというよりは、学生時代のまんまをやってる感覚です。音楽のミーハー、音楽ファンが集まってる3人。共通点は「いい曲が好きすぎる」というところ。それによってあらゆるジャンルを網羅できるんです。僕がちょっとしか触れてきてない音楽の要素も2人が出してくれるので、「3人で作ってる」という感覚がすごく強いです。

KAREN:2人が知らない曲を「これ、いいよ!」って持って行くのが楽しくてしょうがないんですよ。

北野:お互いにそんな感じの3人です。移動車でもずっと音楽を爆音でかけてますし。

KAREN:目的地に到着したら声が嗄れてます(笑)。

北野:アルバムを作るのも、「いい音楽あるで!」って僕らがやってることの延長線上なんですよね。「今度は自分たちでもそういう曲を作ってみんなに届けようぜ!」ということなので。

――今回のアルバムは『GREEN』と『PURPLE』、それぞれ12曲ずつ、全24曲。今までにリリースしてきた曲もたくさん収録されています。色違いの2部構成にしたのは、どういう理由だったんでしょうか?

北野:色違いで2枚といえば、やっぱり赤盤青盤なんですよね。

――ビートルズのベストアルバムの通称「赤盤青盤」?

北野:はい。3人ともビートルズはもちろん通ってますし。

KAREN:階段から覗いてる写真をやってみようかなとも思ったんですけど、さすがにそれはやめました(笑)。

北野:2人にはそれぞれイメージできる色があるんです。KARENはピンクに近いイメージの紫。Mishuは淡い緑。実際、その色のマイクケーブルを使っているんです。それもあってこの2色の2枚になりました。なんとなくではあるんですけど、それぞれKARENをイメージする曲、Mishuをイメージする曲で構成しています。

KAREN:GREENとPURPLEは対照的な色でもあるので、それも私たちに合っているのかなと思っています。

Mishu:他にもいろいろあるんですけど、LUV K RAFTがすごく表れている曲を選んでいます。「これを聴けばLUV K RAFTがわかるよ」という24曲です。

――公式プロフィールとかでも掲げられている「懐かしさと新しさが交差するタイムマシンサウンド」というのも、とても表れている曲たちだと思います。

北野:この3人で音楽をやることになって、いつの間にかそういう感じになっていたんです。「こんな音作りたい!」という無邪気さでやり続けているので。

――80年代のテイストが特に色濃く出ているのかなと感じました。

北野:80年代のシンセの音、大好きなので。あの頃のサウンドの感じ、ずっと好きです。

KAREN:Mishuと私はリアルタイムでは聴いていない音色だったりするので、「懐かしい」ではなくて「新しい」なんですよね。

Mishu:80年代の音楽を教えてもらったとき、「こんなおしゃれなサウンドが私が生まれる前にあったんだ!」というのがありました。そういう要素が入った音楽を今、自分たちで表現できてるのがすごく嬉しいです。

――『GREEN』の1曲目の「ココア」も、まさに80年代を感じます。

北野:イントロからそういう感じですよね。

KAREN:今までは私が歌詞を書くことが多かったんですけど、この曲は初めての3人のコライトです。全員がフルで歌詞を書いて、いいところを取っていきました。

Mishu:ラスサビは全部私が書いた歌詞なんですけど、2年前に旦那さんが亡くなった私の親友のことです。近くにいた大切な人が急にいなくなるというのが、当時の私には想像ができなくて。2年経って考えるようになったことを歌詞にしました。

――タイトルでもある「ココア」は、曲全体で描かれている感情を象徴するモチーフですね。

KAREN:はい。「甘くて温かい」というココアのイメージを覆したくて。甘くて温かいと思っていたものがいきなり苦く感じられてしまうような感情の揺らぎって、ありますからね。そういう寂しさに寄り添える曲になっていたら嬉しいです。

北野:意味は2人がつけてくれると思っていたので、僕はメロディとのシンクロを考えて歌詞を書きました。メロディ、音に一番合っている言葉ってあるので。

――歌詞の面白さもすごくあるLUV K RAFTですね。例えば「バリア」は、ネットスラングの使い方が印象的です。

KAREN:推し活が流行っているので、「推してる人の理想と現実」みたいなことを描いています。「推してる人がデートですごくダサいファッションをしてたら、あなたはどうしますか?」というような(笑)。

北野:「バリア」がもしカラオケに入ったら、ぜひ2人で歌ってみてほしいですね。細かいフレーズが交互に入れ替わる難しさを感じていただきたいです。ハモりもそうですけど、2人のリズムのシンクロがすごいんです。そういう点にも注目していただきたいですね。

――「グッバイ・マイ・ラブ」は、新曲ですか?

北野:はい。この曲の音は、ティアーズ・フォー・フィアーズの感じです。ギターは初期TOTOのスティーヴ・ルカサーのクリーントーン。ドラムは当時のシモンズのエレドラ。当時の音楽をリアルタイムで聴いていた人がニヤッとする感じにしています。

――「ZOMBIE ZOMBIE」は、ミクスチャーロック的なハードな要素も入っていますね。

KAREN:これは結構Mishuをフィーチャーしている曲なのかなと思います。

Mishu:「曲のかっこよさをより活かすにはどうしたらいいんだろう?」と考える中で出てきたのが、このラップなんです。サウンドは力強いんですけど、歌詞は葛藤を描いていて、弱さみたいなのも表れています。その対比も楽しんでいただけたら嬉しいです。

北野:この曲、クーラ・シェイカーの「Hey Dude」からのインスパイアです。ギターのカッティングからも、それを感じてもらえると思います。僕、ホラー映画が大好きなんですけど、どの作品もオマージュの要素が入ってたりするんですよね。だからLUV K RAFTの曲の作り方は、ホラー映画と同じなのかも(笑)。

――(笑)。タイアップの曲もいろいろやってきたんですね。CANDY A☆GO☆GO!のCM曲の「カラバリ」とか。

KAREN:「カラバリ」の歌詞は、CANDY A☆GO☆GO!さんをイメージして書きました。

Mishu:カラフルなお菓子を見ると、幸せになる感じが出ていると思います。

北野:曲は「テイク・オン・ミー」のオマージュです。

――でしょうね(笑)。80sといえばa-haの「テイク・オン・ミー」は避けて通れないです。

北野:断言します。あの曲が好きすぎて、やりたくて仕方なかったんです(笑)。

――本の中に入るMVも作りたくなりますね。

KAREN:ああいう映像、どうやって作るんですかね?

北野:今の技術だったら簡単なのかもしれないよ。あの曲は2部作。「シャイン・オン・TV」という曲もあって、MVも続きになっているんだけど。

Mishu:へえー!

――やはり「こういうのを自分たちでもやってみたい」というのは、LUV K RAFTの大きな原動力なんですね。

北野:はい。我々の初ワンマンで、クラフトワークの真似をして1曲やったこともありました。

Mishu:やりましたねえ(笑)。

北野:光るメガネかけて、電卓持って。

KAREN:ちょっとウケとりたいという関西人の悪いところが出てるけど(笑)。お客さんは、「ぽかーん」でした。

北野:「誰がクラフトワーク知ってんねん?」という感じでした(笑)。

――(笑)。タイアップの曲は、他にもいろいろありますね。「17days」は、「Victor推し声オーディオプロジェクト」CMソング。「ありがとう…」は、やなせたかしさんの生誕100周年記念特別アニメ作品『勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語』の主題歌。

KAREN:「ありがとう…」は、初めてのタイアップだったんです。この作品のために曲を作ってコンペに出したんですよ。決まったとき、全員で京都の鴨川で大はしゃぎしました。「決まったぞー!」って。

北野:曲はティンバランドがワンリパブリックとコラボした「アポロジャイズ」のオマージュです。あれを聴いて以来、「いつかあの感じをやってみたい」と思っていたので。

――YouTubeでデモを発表していた曲も、今回のアルバムにたくさん収録したんですね。『GREEN』に収録されているのは「The day dragged on」「SOMEDAY」「PaperLove」。正式な音源化は、これが初めてですか?

KAREN:そうです。コロナ禍のライブができなかった時期に毎日配信をして、2週間に1曲新曲も出していたんです。MVもしっかり作って公開するようにしていました。「デモ」としてYouTubeにアップしていた曲が、やっと日の目を見ることになりました。歌詞も歌も変わっているので、全部新曲みたいになっています。

――『GREEN』を締めくくる「ボッチャモーレfeat.BLD」は、ライブで盛り上がりそうですね。

KAREN:めちゃくちゃ盛り上がりますよ。

北野:尺が短いですけど。

Mishu:2分くらいですからね。

――BLDは、どういう経緯で参加することになったんですか?

KAREN:『PURPLE』の1曲目の「Alice」は、『アリスさんちの囲炉裏端』のオープニング主題歌だったんですけど、あのドラマに出演していた佐藤瑠雅さんのグループがBLDなんです。「次は歌でコラボしましょう」というお話をしていて、「ボッチャモーレ」で実現しました。

――「ボッチャモーレ」は、「ボッチ」「アモーレ」。つまりボッチ讃歌ですか?

Mishu:正解です(笑)。

KAREN:「1人大好き」という意味です。「週末だ! 休みだ! 友だちとテーマパークに行こう!」っていう陽キャの方々は一旦置いておいて(笑)。私はどちらかというと「仕事終わった。引き籠ろう……」というタイプなので。「1人で過ごせる! パーティーや!」という1人パーティーを大人数で歌ってるのが「ボッチャモーレ」です。

Mishu:私も1人で過ごすのが好きなんですよね。週末は1人でアニメを観たりしますし。大人数で賑やかに過ごすのも好きなんですけど。

――クリエイターは、ボッチ派が多い気がします。北野さんはどうなんですか?

KAREN:一番アクティブなんですよ。

Mishu:ただただアモーレです!

北野:「ただただアモーレ」ってなんだよ?(笑)。

――(笑)。では、『PURPLE』のお話に移りましょう。「Alice」については先ほども触れていましたが、『アリスさんちの囲炉裏端』のオープニング主題歌ですね。

北野:「Alice」もコンペで、ありがたいことに選んでいただけたんです。

KAREN:LUV K RAFTでラブソングを書くことは、そんなになかったんですけど、「Alice」で初めてまっすぐな恋の曲を書きました。原作を読んで感じた主人公のアリスの想いとかを歌詞で表現しています。

Mishu:KARENが歌詞で描いているのは、今現在のアリスのイメージ。私が描いたのは、過去とか、過去に対する抗いです。原作を読んで歌詞を書くのは、自分ではない体験ができるので、すごく楽しかったです。

――『PURPLE』もタイアップ曲が盛りだくさんですね。『ディスカバリーエンターテインメント 秘密のケンミンSHOW 極』のEDテーマ曲「春色」は、葛城市市制施行20周年動画でも流れたんですか?

KAREN:はい。私たち、葛城市の観光大使なんです。毎年、葛城市のイベントで「春色」を歌わせていただいています。コロナ禍を経て、初めてリリースした曲だったので、リリースできなかった期間の分を全て詰め込むような気持ちでしたね。ハーモニーやコーラスワークも、すごくこだわって作ってます。

――葛城市は奈良県。LUV K RAFTの活動拠点は関西エリアですよね?

KAREN:そうです。

――KENWOODオーディオ コンセプトソングの「NEW AGE 9iRL」は、まさに関西のバンドならではだと思います。

KAREN:歌詞に関西弁を散りばめましたからね。でも、《これがええねんなぁ~》と言いたかったわけではなく、「NEW AGE 9iRL」の頭文字なんです。「N」「A」「9」は、KENWOODさんのNA9という機器の名前なんですけど、《これがNA9》を《これがええねんなぁ~》にする遊び心から始まり、関西弁を散りばめることになっていきました。

北野:『PURPLE』の2曲目は「春色」で、3曲目が「NEW AGE 9iRL」。この2曲は並べる曲順にしたかったんですよね。いろんな方々のオマージュになっているんですけど、僕の中で特にイメージしているのはユニコーンです。「春色」のサビ以外のAメロ、Bメロは、「奥田民生さんは、こう行ったらこう行くだろう」という進行で作っています。あと、「NA9」の言葉遊びも、実はオマージュです。PUFFYの「これが私が生きる道」の漢字だけを読むと、あの曲がCMソングだった「シ(私)・セイ(生)・ドウ(道)」になるんですよね。それを知った当時、衝撃を受けたので、いつかそういう遊びもやってみたかったんです。

――どの曲もアイディアと遊び心が盛りだくさんですね(笑)。劇場版『広告会社、男子寮のおかずくん』主題歌「真夏のファンタスティックボーイ」は、2人の歌とラップのコンビネーションが気持ちいいです。ラップと歌を区別して考えるのではなく、自然な声の表現としてやっていますよね?

Mishu:まさにそうですね。私はタイ・ダラー・サインが好きなんです。彼はいろんなフィーチャリングとかでラップもたくさんしているんですけど、頑なに自分のことを「ボーカリストだ」と言ってるんですよ。その感覚は、すごくわかります。私もラップをすることは多いですけど「ボーカリスト」として自分のことを捉えているので。

北野:ダイアナ・キングとかもそうだよね。

Mishu:うん。結局、歌をどう乗せるかなので。

――ポルベニル飛鳥公式応援ソングの「Beautiful Days feat.松井絵里奈, Richard, Marty Friedman」は、LUV K RAFTのコンビネーションに、ゲストの3人が加わっていますね。

北野:自分たちだけだと何か物足りなくて、お声がけをさせていただいたんです。ギターは、マーティさんのイメージがすごくあって。サッカーの応援歌ですから、弾いていただいたら絶対に広がるだろうと思って、お願いしました。コラボレーションは好きです。いろいろ新鮮なことができるので。

――様々な作風を発揮していますけど、やはり80sのテイストはLUV K RAFTにとって大きいみたいですね。「Everybody 君とWonderful World」とかも、あの頃を感じる音ですし。

北野:80sの感じは、これからもやっていくと思います。ここまで80sをやってるユニットはいないという自負があるので。

――YouTubeでデモを発表した「Heart」と「魚」にも、その姿勢が表れていると思います。

KAREN:YouTubeにアップしたもともとの「Heart」のデモは、私がメインで全部を歌ったんですけど、私とMishuのボーカルで新しく作った音源になってます。

Mishu:「Heart」は、私が加入する前からあった曲なんです。この3人が合わさったLUV K RAFTの音が一番大きいスケールで表現できてる曲なのかなと個人的に思ってます。

――「魚」は魚の勉強になって、人生も歌っているという……不思議な曲です。

KAREN:魚の雑学を少しは入れないと、全部聴いてもらえないかもしれないと思いまして(笑)。デモのMIDIで打ったメロを聴きながら「歌詞、どうしよう?」と考えて、最初は全編英語の歌詞にしたんです。でも、「面白くない。かっこいい音だからこそ、クスッと笑えるものにしよう」ということになりました。

北野:聖飢魔Ⅱの「不思議な第3惑星」という曲の歌詞は全部英語で、日本語にも聞こえるんです。この歌詞では、そういうことをやってみたくて。もともとはそういう意図で書いていなかった英語が「さかな」と聞こえたので、魚の曲になりました。

KAREN:スーパーでかけてほしいですね。

Mishu:お魚売り場でぜひ(笑)。

――(笑)。「雨あがりの空-Happy Birthday 2025-」と「Wishing you feat.Cöco -Happy Birthday 2024-」、GREENに収録されている「Day by Day -Happy Birthday 2021-」は、誕生日の歌ですね。誕生日ソングは、シリーズ化しているんですか?

Mishu:そうです。毎年2月に誕生日の曲を発表するというのを2018年から続けてまして。その中でも今聴いていただきたい曲を今回入れました。

北野:12、13曲くらいになったら、Happy Birthdayでテーマを統一したアルバムにしたいですね。

――「Dive into the BLUE」は、新曲ですか?

KAREN:はい。海への愛をふんだんに詰め込んでいます。LUV K RAFTの3人はダイビングをやっていて、北野はインストラクターの資格を持ってるんです。そして、私とMishuも今年9月中旬にインストラクターの資格を無事に取得しました!海の環境問題についてみなさんに知っていただきたいですし、忙しい毎日でも時間を見つけて海に潜って、新しい感覚を味わってほしいという願いを込めています。

――「浪漫飛行」は米米CLUBのカバー。どういう経緯でカバーすることになったんですか?

北野:鹿島アントラーズを創設された現副社長さんとご縁がありまして、LUV K RAFTを応援してくださっているんです。「鹿島と何かしませんか?」という話になり、「らぽっぽなめがたファーマーズヴィレッジ」とのコラボが決まったのが、カバーのきっかけでした。そこの施設は米米CLUBさんとコラボをしているんですよね。カバーをするなら、やはり「浪漫飛行」なのかなと。

――「浪漫飛行」のカバーは、YouTubeにアップされましたよね。

北野:はい。50万回再生されたので、改めて今回のアルバムのためにアレンジをし直して音源化しました。

KAREN:カバーもまた何かやってみたいですね。まーくん(北野)が提供した楽曲のセルフカバーとか。

北野:いつかやってみたいね。

Mishu:面白そう。

KAREN:LUV K RAFTでやりたいことは、他にもいっぱいあるんですよ。

――長年活動してきたユニットですけど、やりたいことが尽きないんですね。

KAREN:ほんとそうなんです。

Mishu:まだまだいろんなことができる3人だと思います。

北野:やりたいことがたくさんあるLUV K RAFTなのは、今回のアルバムにも出ていますよね(笑)。いろいろありすぎると何から聴いたらいいのかわからなくなるかもしれないので、まずは「ココア」と「Alice」を聴いていただくのがいいのかなと。そこを入り口にLUV K RAFTの他の曲も聴いていただけたらなと思っています。

TEXT by 田中 大


==============================================
※ LUV K RAFTオフィシャルHP:https://luvkraft.bitfan.id
※ LUVKRAFT Youtube:https://www.youtube.com/@LUVKRAFT
※ LUV K RAFTオフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/luv_k_raft/
※ LUV K RAFTオフィシャルX:https://x.com/LUV_K_RAFT
※ 徳間ジャパン LUV K RAFT Information:https://www.tkma.co.jp/jpop_top/luvkraft.html
==============================================

リリース情報
■MAJOR DEBUT
1st Full Album
『GREEN』 
『PURPLE』   
発売日:2026年9月26日(土)Digital Release  
※2作品同時リリース
楽曲配信はコチラ:https://tjc.lnk.to/LUVKRAFT
[『GREEN』収録曲]
1. ココア
2. バリア
3. ZOMBIE ZOMBIE
4. カラバリ
5. 17days
6. Day by Day -Happy Birthday 2021-
7. The day dragged on
8. SOMEDAY
9. PaperLove
10. グッバイ・マイ・ラブ
11. ありがとう...
12. ボッチャモーレfeat.BLD

『PURPLE』収録曲]
1. Alice
2. 春色
3. NEW AGE 9iRL
4. 真夏のファンタスティックボーイ
5. Dive into the BLUE
6. Everybody 君とWonderful World
7. Wishing you feat.Cöco -Happy Birthday 2024-
8. Heart
9. 魚
10. 雨あがりの空 -Happy Birthday 2025-
11. Beautiful Days feat.松井絵里奈, Richard, Marty Friedman
12. 浪漫飛行

ライヴ情報
■LUV K RAFT LIVE 2026「LIVE K3Y ROOTS」
・【大阪公演】日時:9月26日(土) OPEN17:00/START18:00 会場:Yogibo HOLY MOUNTAIN
・【東京公演】日時:10月4日(日) OPEN17:00/START18:00 会場:浅草花劇場
・【東京追加公演】日時:2027年2月20日(土) OPEN17:00/START18:00 会場:I’M A SHOW

■「BIRTHDAY LIVE 2026」  日時:10月18日(日)OPEN19:00/START19:15  
会場:【東京】Padma ~Libe&Bar~

「LUV K RAFT LIVE“the ACOUSTIC”」  
・11月14日(土)OPEN17:30/START18:00 【東京】GT LIVE TOKYO  
・11月15日(日)OPEN16:30/START17:00 【東京】GT LIVE TOKYO